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控訴審結審、判決は11月4日に

 8月26日に高裁秋田支部の第2回口頭弁論が行われました。裁判長が原告、被告の準備書面の法廷提出を確認して弁論終結、結審を宣告。判決日を11月4日に指定しました。

 2月に控訴してからコロナ禍対応で口頭弁論開始が遅れましたが、判決まで開廷3回は予想通りです。判決を予測出来ませんが、地裁判決で傷付けられた相馬和子さんの尊厳の回復が控訴の第1の目的です。

 「始末書」提出に相馬さんが合意?──園側準備書面の“怪”
 
 「2歳児まとめ」を2度も書き直させた経緯が裁判長から問われ、それに対応する準備書面が提出されました。そのなかに、2016年8月29日の相馬さんと園長、村元主任との話合い記録なるものが出てきました。相馬さんが「2歳児まとめ」の問題点の指摘をすべて認めたうえで、「始末書」提出に合意したとの主張の裏付けです。

 しかし、相馬さんには、その日に園長らと話し合ったとの記憶もメモも存在しません。記録は後からでも作成できるもので、この会議の存在を裏付ける客観的な証拠がありません。

 相馬さんが園長から始末書の提出を求められたのは9月5日。12日には始末書提出を拒否しています。この経緯から、8月29日の始末書提出合意は、園長らの“創作”との疑いも生じます。


 「目標を達せられなかったから懲戒処分」は、就業規則違反

  始末書提出要求は、相馬さんが「2歳児目標」を達成できなかったことが理由です。「始末書」提出は懲戒処分。解雇理由にもなり得ます。ところが、園の就業規則には、保育目標を達成できなかったら始末書提出や懲戒処分との規定はありません。


 就業規則に逸脱する違法な処分を相馬さんに対して強行しようとした──これが、「2歳児まとめ」と始末書提出をめぐる真相です。




地位保全仮処分で解雇無効の「決定」

解雇無効求める本訴が始まります

 弘前市のたんぽぽ保育園(現たまちこども園)(HP)は、津軽保健生協(健生病院)の保育所として設立され、先進保育と保育運動の担い手として知られた存在でした。2001年に独立、社会福祉法人・認定保育園になりました。

 

 現園長は、2003年から14年間この職にいます。園長や娘の事務員、主任保育士、理事長らによる執拗なパワハラが始まったのは、20151月。最初にターゲットになったのは組合員の事務職員です。パワハラに耐えられず5月に退職。次にターゲットになったのは組合員の主任保育士。パワハラで追い詰められ、懲戒解雇か自主退職か迫られ、20158月退職。次が非組合員ですが組合同調者の保育士ふたり。

 1年余で組合員5人が2人に、組合同調者は表面的にはいなくなりました。

 

 残った組合員のひとり、相馬和子さんを狙ったパワハラが20164月から本格化。福祉保育労組や市民ネットに支えられて持ち堪えてきましたが、11月1日付けで解雇されました。

 

  パワハラ→退職の手口はいずこも同じ。 仕事内容を全否定して自信を失わせ、精神的に追い込んで懲戒解雇をちらつかせて退職に追い込むのです。すぐに退職しなくても退職を約束し、組合から離れればパワハラは止みます。

 

  園長らのパワハラ目的は、正規職員の組合員と同調者を解雇して非正規に置き換えるリストラと組合潰しの一石二鳥です。

 

   “先進保育園”の名の下で現園長による陰湿なパワハラが長い間行われてきた実態がさかのぼって明らかになりつつあります。




組合潰しとリストラのパワハラ横行たんぽぽ保育園に社会的圧力を


 福祉保育労組青森支部と相馬和子さんは、裁判と労働運動とを結んで、団交、労働委員会提訴、支援の市民ネットを組織、署名活動、保育園周辺地域へのリーフレット配布など保育園に対する社会的圧力を築いて闘っています。

 不当解雇を決定した理事会の責任を問う署名を市民ネットを軸に2月から集めました。わずか2カ月間で弘前市内在住者614人など1,700人近い署名が集まりました。その後も増え続けており、弘前市内在住者682人、青森県在住者343人、全国985人、計2,010人に達しました。署名は、5月11日の団交で渡そうとしましたが、園側が受け取りを拒否。しかし、たんぽぽ保育園問題は全国に知られることになりました。

 このホームページも「たんぽぽ保育園問題」で検索すると、先頭に出てくるようになりました。多くの人が閲覧してくれています。

 

 不当解雇に対する闘いの目的は、なによりも人格を傷つけるウソ八百の理由で解雇された労働者の尊厳の回復です。次に、経営者に不当解雇がいかに高くつくかを分からせて、パワハラや解雇を労働者支配の手段にする権力者化した経営者をなくすることです。